去年の夏のことだ。近所のワークマンに作業手袋を買いに行ったんだけど、レジに向かう途中でなんとなく服のコーナーに引き寄せられた。別に買う気はなかった。ただ、変なパーカーが目に入って、足が止まった。
フードがやたら深い。つばが帽子みたいにぐいっと前に出ている。「なんだこれ」と思って思わず手に取った。
SNSで「不審者パーカー」って呼ばれてるのは知ってたけど、写真で見るのと実物は全然違う。画面越しだと「ちょっと変なパーカーね」くらいの印象だったのに、目の前にあると妙な迫力がある。ためしに頭にのせて鏡を見たら、自分でも笑った。完全に不審者だった。
でも笑いながら同時に思った。「これ、日焼け対策にめちゃくちゃ使えるんじゃないか」と。そのままレジに持っていった。手袋より先にパーカーを買った。

そもそもこのパーカー、何のために作られたのかという話をしておく。
正式な商品名は「フィールドコア ストレッチフルジップパーカー」あたりの系統で、年やシーズンによって細かい仕様が変わっているらしい。ワークマンはそもそも建設現場や工場で働く人のための店だ。このパーカーも、農作業や屋外での仕事を想定して作られている。紫外線対策、熱中症対策、虫よけ。そのための設計だ。
だからフードが深い。つばが長い。顔を守ることが目的なんだから、これは当然の構造だ。
それを街中で着るから「怪しい」ってなる。畑で作業するおじさんが使うものを、普通の格好として街に持ち出そうとするから見た目がちぐはぐになる。パーカー自体は何もおかしくない。使われる場所が変わっただけだ。
値段は時期によって多少変わるけど、だいたい2,900円から3,900円くらい。同じようなUVカット機能をアウトドアブランドで探したら、まず1万円は超える。この値段でこの機能が手に入るのが、ワークマンが怖いところだと思う。

店で実物を触ったときの話。
色はブラックにした。理由を正直に言うと、「一番不審者っぽかったから」だ。ネイビーもカーキもあったけど、ブラックが一番フードの深さが目立って見えた。面白そうだった。それだけだ。
生地を触ってまず気づいたのは、フード部分の硬さだ。芯でも入っているのか、置いても形が崩れない。自立するくらいの張りがある。これがあのシルエットを作っているんだと、触ってはじめてわかった。全体はストレッチ素材で、引っ張るとちゃんと伸びる。縫い目もしっかりしていて、作業着らしいざっくりとした丈夫さがある。
サイズは普段Mだけど、Lにした。フードをかぶったときに頭まわりが窮屈にならないように、少し余裕を持たせたかった。これは正解だった。腕を動かしても背中が引っ張られないし、動きやすさは思っていた以上だった。

実際に着て外に出てみた話
はじめての外出:近所のスーパーへ
最初に着て出かけたのは、徒歩5分のスーパー。夏の昼間、気温は34度くらいあった。
自転車をこぎながら、フードをきっちりかぶって走った。最初の感想は「あ、これ全然暑くない」だった。むしろ直射日光が顔に当たらないぶん、体感的には楽に感じるくらい。首の後ろも耳の上も、いつもなら焼けてヒリヒリする部分が、完全に影に入っている。
スーパーに着いて、フードをとらずに入店した。これが失敗だった。レジの店員さんに、明らかに一瞬固まられた。目が合って、「あ、やばい」と思い、あわててフードを外した。それ以来、建物に入るときはフードを外すことにしている。当たり前と言えば当たり前の話だ。

朝のウォーキングで使う
次に試したのは、朝6時台の公園でのウォーキング。これが一番フィットした使い方だった。
朝でも紫外線は出ている。しかも人が少ない時間帯なので、深いフードをかぶっていても誰も特に気にしない。ウォーキングやランニングをしている人たちはそれぞれ好き勝手なスタイルで動いているし、サングラスをしている人も帽子を深くかぶっている人もいる。その中に混ざっても、とくに浮かない。
1ヶ月ほど続けたら、顔の日焼けが明らかに減った。これは本当に実感している。日焼け止めを塗らなかった日もあったが、ほとんど焼けなかった。パーカーの効果だと思う。
ストレッチ素材なので、腕を大きく振っても引っかかりがない。汗をかいても、生地が肌に貼りつく感覚が少なかった。素材の性質なのか、通気性がそこそこあるのだと思う。
雨の日に試してみた
ある日、曇っていたので傘を持たずに出かけたら途中で雨が降り出した。そのままフードをかぶって歩き続けたが、顔がほとんど濡れなかった。つばが長いおかげで、前から来る雨粒がほぼ全部弾かれる。
傘があるに越したことはないが、コンビニへの往復くらいなら傘なしでも全然いける。撥水加工もされているようで、肩や腕も水をある程度はじいていた。
これは想定外の便利さだった。日焼け対策として買ったのに、雨の日にも使えるとは思っていなかった。

ぶっちゃけ、本当に不審者に見えるのか
これは正直に答えると「見える場面もある」だ。
夜に一人でフードを深くかぶって歩いていたら、向こうから歩いてきた女性が道を変えた。気づかなかったふりをしたけど、たぶんそういうことだと思う。夜間に顔が見えない状態で歩くのは、相手にとって怖いのは当然だし、それは自分でもわかっていた。それ以来、夜はフードをかぶらないようにしている。
昼間の屋外、特に農作業っぽい文脈や、公園や川沿いでのウォーキングのような場面では、まったく問題ない。むしろ「日焼け対策してるんだな」という雰囲気で受け取ってもらえる気がする。夏は同じような格好の人が増えるし、特に浮くことはなかった。
要はTPOの問題で、このパーカー自体が悪いものではない。夜に顔を隠して歩く用途には向いていないし、そういう目的で使うべきでもないが、日中の屋外作業や運動には本当に優秀だ。
使ってみてわかったこと:良かった点

日焼け対策の効果は本物 顔・首・耳まわりをまとめてカバーできる。日焼け止めを毎回塗るのが面倒な人には特にありがたい。塗り忘れを気にしなくていいのが地味に楽だった。
動きやすさが思ったより高い 作業着として設計されているだけあって、腕を動かしても引っ張られない。スポーツやウォーキングに向いている。
値段がおかしい(良い意味で) 3,000円前後でここまで機能が揃っているのは、他のブランドではまず無理だ。試しに買ってみようという気持ちになれる値段設定が、ワークマンの強さだと改めて思う。
雨にも使える フードのつばが長いおかげで、小雨程度なら顔が濡れない。これは買う前には想定していなかったメリットだった。
正直気になった点も書いておく

建物の中では脱ぐ必要がある フードをかぶったまま入店すると確実に浮く。入るたびにフードを外す手間があるし、慣れるまでは少し面倒に感じた。
夜間の使用は気をつけた方がいい 顔が見えない状態で歩くと、周囲の人に不安を与えることがある。これはパーカーの問題ではなく使い方の問題だが、知っておいた方がいいと思う。
ファッション性は期待しない方がいい 機能一点張りのデザインなので、おしゃれアイテムとして使うのは難しい。コーデに組み込もうとしても、なかなか収まりがつかない。普段着というよりは、スポーツや作業用のアイテムとして割り切った方がいい。
夏の日中は蒸れることもある フードが深い構造上、頭まわりに熱がこもりやすい。風のない日の昼間は少し蒸れる感覚があった。完全に快適かと言われると、正直そうでもない場面もあった。
買うべき人・買わなくていい人

こういう人には向いていると思う
日焼けが気になるけど日焼け止めを塗るのが面倒な人。朝のウォーキングや自転車通勤をしている人。農作業や屋外での肉体労働が多い人。とにかく機能重視で、見た目にこだわらない人。あとは単純に、ワークマンのコスパに興味がある人なら一度試してみる価値はあると思う。3,000円程度なので、「失敗してもいいか」と思える値段なのも背中を押しやすい。
こういう人にはあまり向いていないかもしれない
街中でのファッションとして使いたい人。夜に外出することが多い人。人目が気になりやすい人。フードをかぶったまま颯爽と買い物したい、みたいな使い方を想定しているなら、思っていたよりストレスを感じるかもしれない。TPOを選ぶアイテムなので、使う場面が限られる人には持て余す可能性がある。
約1ヶ月使ってみての総評
結論から言うと、買ってよかった。
ただし「最高のパーカー」かと言われると、そういうわけでもない。おしゃれじゃないし、どこでも使えるわけでもない。夜には使えないし、建物に入るたびにフードを外す手間もある。不便な点は確かにある。
でも、日中の屋外での日焼け対策アイテムとして見たとき、この値段でこの性能は本当にすごいと思う。同じことをやろうとしてアウトドアブランドのUVカットパーカーを買ったら、3倍以上の値段になる。機能の差がそれほどあるかといえば、正直そんなに変わらないと思う。
「不審者パーカー」という名前はあくまでネタで、実態は真面目に作られた実用的な屋外作業着だ。それを理解した上で使えば、かなり頼りになるアイテムになる。
夏が来るたびにまた引っ張り出してくるだろうなと思っている。それくらいには気に入っている。
ワークマン「不審者パーカー」の代替品を探している人へ

ワークマンの店舗が近くにない、またはオンラインで手軽に購入したいという方のために、AmazonやRakutenで入手できる類似アイテムをまとめた。
| 商品名 | 主な用途 | Amazon | 楽天 |
|---|---|---|---|
| [Goodfeel] ラッシュガード レディース UVカット99.9% UPF50+ | 海・プール・屋外スポーツ | Amazonで見る | 楽天で見る |
| ワークマン クール UV サンシェード パーカー EX + | 屋外作業・農作業・日常使い | Amazonで見る | 楽天で見る |
| [SLEEPSINERO] 【革新改良!レンズ付き】 ラッシュガード UVカット パーカー レディース 長袖 | アウトドア・サイクリング・日焼け対策全般 | Amazonで見る | 楽天で見る |
[Goodfeel] ラッシュガード レディース UVカット99.9% UPF50+
海やプールなどの水辺での使用を主な用途として設計されており、UPF50+の紫外線カット機能を備えている。袖や首まわりのカバー範囲が広く、屋外でのスポーツや日常的な外出時の日焼け対策としても使用されている。
ワークマン クール UV サンシェード パーカー EX +
農作業や建設現場などの屋外作業を想定して作られた商品で、顔まわりへの日差しを遮る設計が特徴となっている。オンラインでの取り扱いはAmazonおよび楽天のワークマン公式ショップから購入できる。
[SLEEPSINERO] 【革新改良!レンズ付き】 ラッシュガード UVカット パーカー レディース 長袖
フード部分にレンズ素材を採用した構造となっており、視界を確保しながら顔への直射日光を遮ることができる。サイクリングやウォーキングなど、顔を動かしながら行うアウトドア活動での使用を想定した設計になっている。
まとめ
- ワークマンの不審者パーカーは、農作業や屋外作業向けのUVカットパーカー
- 深いフードとつばのおかげで、顔・首・耳まわりの日焼けをしっかり防げる
- 値段は3,000円前後と破格のコスパ
- 夜間や建物の中での使用には向いていない
- 日中の屋外アクティビティに限定して使えば、かなり優秀なアイテム
- 「不審者っぽい」のは見た目だけで、パーカー自体は至って真面目な道具
変なあだ名がついているせいで敬遠している人もいると思うが、使う場面を選べばちゃんと使える。気になっているなら、一度店舗で実物を手に取ってみてほしい。試着した瞬間に、買うかどうかの答えは出ると思う。
