去年の春、膝の外側が痛み始めた。
走るたびに同じ場所がじんわり痛む。整形外科に行くほどじゃないけど、練習後に湿布を貼る日が3週間くらい続いた。フォームが悪いのかとも思ったし、走りすぎかとも思った。でもとりあえずシューズを変えてみることにした。
ダイナソフト900を選んだのはそういう流れだ。「クッション性が高い」という話をランニング仲間から聞いて、あまり期待せずに買った。結果から言うと、膝の違和感はほぼなくなった。シューズだけのおかげかどうかは今でも正直わからない。でもそれ以来ずっとこれを使っている。

スペック
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| ミッドソール | DynaSoft(ダイナソフト)フォーム |
| アウトソール | ラバー |
| アッパー | メッシュ素材 |
| ドロップ | 約8mm |
| 対象 | メンズ・レディース |
| 想定用途 | デイリートレーニング・長距離・ウォーキング |
数字だけ見ると普通のトレーニングシューズに見える。実際はスペック表に出てこない部分に特徴がある。
箱を開けたとき

まず「ソール厚いな」と思った。
横から見るとかなりボリュームがあって、持つ前は重いかと思った。でも手に取ると拍子抜けするくらい軽い。見た目で損しているタイプだと思う。
アッパーのメッシュは触るとすぐわかる。安っぽい薄さじゃなくて、通気性を優先した結果の薄さだ。デザインはニューバランスらしいシンプルさで、派手さは一切ない。普段履きにも使えそうだと思った。

サイズとフィット感
普段27.0cmで、ダイナソフト900も同じにした。
試し履きの時点では少し広く感じた。足幅が細めの人はハーフサイズ下げてもいいかもしれない。逆に幅広の人には標準展開がそのまま合う。甲が高めの人もメッシュの伸縮性のおかげか、窮屈さはあまり感じないと思う。
ヒールは最初からしっかりホールドされた。踵がぶれる感じがなく、これは最初から信頼できた。
走ってみた

着地の感触
走り出した瞬間「あ、柔らかい」と思った。
ふわっと浮く感じではない。じんわり沈み込んでから戻ってくる感じで、衝撃が足全体に広がる。膝への突き上げが明らかに少なかった。以前のシューズで毎回感じていたあの衝撃が、ほぼなくなった。たぶんこれが膝の改善につながったんだと思う。
反発性は求めないほうがいい
速く走ろうとすると少し違和感がある。
クッションが衝撃を吸収する方向に働いているから、地面を蹴る感触が曖昧になる。カーボンシューズのような弾む感覚はない。スピード練習で使ってみたこともあるが、正直向いていない。
ただこれは批判ではなく、設計の方向性の話だ。膝の負担を減らしたい、ゆっくり長く走りたい、という使い方には合っている。目的さえ間違えなければ、この柔らかさは武器になる。
ペースとの相性
キロ5〜6分台で走ることが多い自分には合っていた。
キロ4分台に上げると、クッションの柔らかさが少し邪魔に感じる。地面を押す感触が逃げていく感じがする。ジョグペース以下での使用が一番快適だと思う。
距離別

5km以下
ウォームアップや軽いジョグには普通に使えた。短いとクッション性の恩恵は薄いが、足への優しさはこの距離でも感じる。
10〜15km
このシューズが一番活きる距離だと思う。
10kmを過ぎても膝や足裏の疲労が少ない。走り終わった後のダメージが以前より軽くなった。週末に長めのLSDをやる人には特に合うと思う。
20km以上
20kmを超えると、クッション性のありがたさがさらに増す。
後半に入っても足裏の痛みが出にくかった。ただ長距離になると安定感がやや落ちてくる感覚もあった。疲れてフォームが崩れてくると、足首が少し不安定になる場面があった。大きく失速するほどではないけど、気になる人は気になると思う。
ウォーキング
これは買うまで考えていなかったが、ウォーキングにかなり向いている。
仕事で一日中歩き回る日に試しに使ったら、夕方になっても足裏が痛くならなかった。ランニング専用と思わずに、長時間歩く日の一足としても使える。むしろこの使い方が一番コスパがいいかもしれない。
耐久性

600km走った時点で確認した。
踵のアウトソールに摩耗はあるが、クッション性の低下はほぼ感じない。使い込んでも極端に潰れない素材のようで、長期間クッション性が維持されやすい。デイリートレーナーとしてのコスパは悪くないと思う。
ひとつだけ言うと、メッシュアッパーは雨の日にすぐ浸水する。これは素材の特性上仕方ないので、雨の日は別のシューズを出したほうがいい。
他のシューズと比べると

ホカのクリフトンと迷う人が多いと思う。
クリフトンのほうがふわふわ感は強い。ダイナソフト900はそれより少し硬め寄りで、地面の感触がある程度残る。クッションに飲み込まれる感じが苦手な人には、ダイナソフト900のほうが合うかもしれない。
アシックスのゲルカヤノと比べると、サポート機能はゲルカヤノが上だと思う。オーバープロネーション気味の人はゲルカヤノのほうが安心感があるだろう。ダイナソフト900はサポートより軽さを選んだシューズだと思う。
どちらが正解かは足と目的次第だ。
向いている人・向いていない人

合うと思う
- 膝や関節への負担を減らしたい
- LSDやデイリージョグがメイン
- キロ5〜6分台で走ることが多い
- 長時間歩く日にも使いたい
合わないかもしれない
- スピード練習やレースで使いたい
- 地面の感触をダイレクトに感じたい
- 足幅が細い
- 雨の日も気にせず使いたい
100円ショップのニューバランス ダイナソフト900のコードは共通の代替品をAmazonと楽天で探す
ダイナソフト900が手に入らない場合や、用途別に別の一足を探しているなら、以下の3つが選択肢になる。それぞれ使い方の方向性が異なるので、自分の目的に合わせて見てほしい。

比較表
| 商品名 | 主な用途 | 対象 |
|---|---|---|
| 軽量ランニングスニーカー RT-7134 | デイリーラン・軽いトレーニング | ユニセックス |
| スーパースター SS J755 | 通学・日常使い | キッズ(15〜24.5cm) |
| HYDRO-TECH 防水透湿ウォーキングシューズ | 雨天・通勤ウォーキング | メンズ |
軽量ランニングスニーカー RT-7134
デイリーランや軽いトレーニングに使われることが多い一足だ。名前の通り軽量設計で、毎日の練習で足への負担を抑えたい人向けの構成になっている。ダイナソフト900と似た用途で使える。
[スーパースター] スニーカー 男の子 女の子 15~24.5cm キッズ SS J755 ガールズ SS J755
子ども向けのスニーカーで、通学や公園遊びなど日常の幅広い場面で使われている。15cmから24.5cmまでのサイズ展開があるため、小学生から中学生くらいまでカバーできる。親がダイナソフト900を使っていて、子どもの一足も一緒に探しているケースにも対応できる。
HYDRO-TECH(ハイドロテック) メンズ 防水透湿ウォーキングシューズ
雨の日の通勤やウォーキングに向いた一足だ。防水透湿素材を使っているため、濡れた路面でも内部に水が入りにくい構造になっている。ダイナソフト900がメッシュアッパーで雨に弱いという弱点を補う、雨天用の選択肢として使い分けられる。
総合評価
| 項目 | 評価 |
|---|---|
| クッション性 | ★★★★★ |
| 軽さ | ★★★★☆ |
| フィット感 | ★★★★☆ |
| 反発・推進力 | ★★☆☆☆ |
| 耐久性 | ★★★★☆ |
| コスパ | ★★★★☆ |
| 総合 | ★★★★☆ |
総合 ★★★★☆ 4/5
星5にできない理由は反発性だけだ。それ以外、クッション性も耐久性もデイリートレーナーとしての完成度も、文句はない。
毎回感動するシューズではないけど、毎回安心して履けるシューズだ。膝が痛み始めてから買って、今もずっと使い続けている。それが一番正直な評価だと思う。
「速く走るための道具」ではなく「長く走り続けるための道具」として、このシューズは自分の中で確固たる位置を占めている。そういう一足が手元にあるのは、思ったより大事なことだと気づいた。
